認知症の人所有の住宅、200万戸超 増える空き家に対策急務

全国で空き家の増加が問題になっています。
その要因の一つが、所有者が認知症になり、意思判断ができないため、売却や解体ができないことです。民間の試算では、認知症の人が所有する住宅は2021年時点で221万戸あり、40年には280万戸になると見込まれます。

第一生命経済研究所は21年、総務省の統計や年齢別の認知症有病率などを元に、認知症の人が所有する住宅の試算を公表しました。
18年時点で210万戸、21年時点で221万戸あると推計。40年時点では280万戸まで増加すると試算しました。

5年ごとの総務省の住宅・土地統計調査(2018年)によると、空き家は全国に849万戸あり、住宅の総数に占める割合は13・6%です。
野村総合研究所の予測では、空き家の取り壊しが進まない場合、38年にはさらに31・5%に上昇する。

 特に、持ち家率が高い団塊世代が75歳以上の後期高齢者になる25年以降、急増する恐れがあります。
厚生労働省の推計では、高齢者の認知症患者は、12年は462万人だったが25年には約700万人と、高齢者の約5人に1人になると見込まれます。

押さえておきたい5本のニュースBloomberg 2023年3月28日

米国でおぞましい銃撃事件がまたも発生しました。テネシー州ナッシュビルの小学校で、28歳の女が子供3人と大人3人を射殺し、自身も警察に射殺されました。この小学校は犯人の母校だともされ、原因究明が待たれますが、使用されたのは殺傷能力の高いライフル。バイデン大統領は議会に対し、攻撃用武器の規制を再び訴えました。

買収と調査

米地銀ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズは、経営破綻したシリコンバレー銀行(SVB)を買収することで合意した。SVBの管財人である米連邦預金保険公社(FDIC)の発表資料によると、ファースト・シチズンズはSVBの全預金とローンを引き継ぐ。

提訴

世界最大の暗号資産(仮想通貨)交換業者であるバイナンス・ホールディングスと同社の趙長鵬最高経営責任者(CEO)が、トレーディングおよびデリバティブ(金融派生商品)の規則に違反したとして、米商品先物取引委員会(CFTC)が提訴した。

タカ派の主張

欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル理事は、0.5ポイントの利上げを決定した今月16日の政策声明に一段の利上げがあり得るとの文言を盛り込むよう主張していた。

失われた10年

世界経済では2030年までの潜在成長率が30年ぶりの低水準に下がったと、世界銀行は指摘。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)やウクライナでの戦争による影響を理由に挙げた。

引責辞任か

UBSグループに救済合併されるクレディ・スイス・グループの筆頭株主、サウジ・ナショナル・バンクのアンマル・フダリ会長が辞任した。同会長は今月、クレディ・スイスへの追加出資について、「答えは絶対的なノーだ」と発言。同行の株価や社債の急落を招き、スイス政府が介入して同行の身売りを調整する事態となった。

押さえておきたい5本のニュースBloomberg 2023年3月27日

リセッションリスク

ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は最近の銀行混乱について、米国がリセッション(景気後退)入りするリスクを高めたとの認識を示した。CBSの番組で銀行問題がリセッションをもたらすかどうかを問われ、「明らかに近づけている」と回答。銀行混乱が「景気減速につながるかどうかを注意深く見守っている」と語った。

買収目指し

バレー・ナショナル・バンコープとファースト・シチズンズ・バンクシェアーズの米地銀2行は、破綻したシリコンバレー銀行(SVB)の買収を目指し、連邦預金保険公社(FDIC)が実施した入札に、24日夜の締め切り前に応札したと、関係者が明らかにした。

一段の支援

米当局は銀行向け緊急融資ファシリティー拡張などさらなる銀行支援策を検討している。ファースト・リパブリック・バンクにバランスシート修復の時間を与えることを念頭に置いたものだと、事情に詳しい関係者が明らかにした。

戦術核

ロシアは同盟関係にあるベラルーシに戦術核兵器を配備すると、プーチン大統領が明らかにした。国際的な核不拡散条約に抵触することはないとの考えを示している。米国はこの動きの影響を注視すると表明した。

国交断絶

台湾とホンジュラスは国交を断絶する。ホンジュラスが台湾を自国の領土とみなす中国の主張を認めた。中国は他国との国交樹立に際し台湾との断交を求める。これで、台湾と外交関係を持つ国は13カ国となった。

親から相続する負動産 2023年3月27日

少子高齢化が進む日本で、本来は財産であるはずの不動産が、“負動産”として重い負担となるケースも少なくありません。
この問題を甘く考えていると、「売れない・貸せない・自分は住まない」という状態になり、相続後に税金や費用増加で首が回らなくなることもあります。
特に、負動産問題になりやすいのは地方の実家や郊外の一戸建てです。

両親の死後、神奈川県郊外のニュータウンにある瀟洒な一軒家を相続したAさん。すでに還暦を過ぎて実家に住む予定はなく、売りに出すことにしたが、バブル時代なら新築1億円をつけた物件の査定額は、アクセスの悪さなどから1800万円まで抑えられました。

観念して売りに出しましたが問い合わせもなく、やむなく家屋を解体して更地にすることにしましたが、解体のハードルは想像以上に高いものでした。
人件費や解体費が高騰し、床面積100~200平米の一軒家を解体するのに150万~200万円かかります。しかも1戸につき330平米までの住宅用地は『住宅用地の特例』が適用されて固定資産税の負担額を最大6分の1まで減額してくれますが、家を解体したら特例が適用されず、税金が跳ね上がります。

 自治体によりますが、年10万円ほどで済んでいた固定資産税が年40万から50万ほどになる可能性があり、更地にしても売れないリスクも考えられる。数年売れないだけでも負担はゆうに300万円を超えます」

 解体が難しい反面、維持するにも相当なコストがかかり板挟みになる。

「近隣に迷惑をかける可能性がある『特定空き家』と判断されたのに放置していると、行政代執行で100万円単位の解体費用を請求される恐れがあるので、所有者はお金をかけて空き家を管理する必要がある。固定資産税や火災保険料、水道光熱費や庭木の整備費といった維持費がかかり続けます。

さらに政府は空き家対策の強化を進めている。今国会では管理不全の空き家に対して「住宅用地の特例」を解除できることを盛り込んだ「空家対策特別措置法」が提出されている点も注意が必要です。

かつては豊かさの象徴だった別荘やリゾートマンションも様変わりしました。

バブル期にできた別荘やリゾマンは多くが築30年を超え、所有者から相続される時期を迎えています。しかし戸建て別荘は一般住宅以上に建物の傷みが顕著で放置するとすぐ住めない状態になり、リゾマンも維持管理費が積み上がるうえに需要低下で人気が急落しました。購入時に2000万~3000万円した物件が10万円台で売られるケースもあり、今や別荘やリゾマンは“最も評判の悪い相続財産”と呼ばれます。

押さえておきたい5本のニュース Bloomberg 2023年3月22日

「物価安定と金融の安定は調和する。両立できないものではない」と言ったのは、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁。先週は銀行システムへの警戒感が広がる中で、宣言通り0.5ポイントの利上げを決めました。ダドリー前ニューヨーク連銀総裁は、現在は2008年の金融危機当時と違うとし、米金融当局はインフレと銀行への影響波及の両方に同時に対処できると主張しています。米連邦公開市場委員会(FOMC)は22日にどういった判断を下すでしょうか。

間接的エクスポージャーも

欧州中央銀行(ECB)は域内金融機関のバランスシートにクレディ・スイス・グループ劣後債の持ち高がほとんど、あるいは全くないことを把握したが、今度は間接的なエクスポージャーを各金融機関に尋ねている。

一時60%上昇

21日の米株式市場で地銀ファースト・リパブリック・バンクが急反発。前日には上場来安値で終了していた。同行の支援を巡り、JPモルガン・チェースが新たな案を提示したことが好感された。

CSファースト・ボストンに関心乏しく

クレディ・スイス・グループを買収するUBSグループは、クレディの投資銀行部門を新たな企業として独立させるより、同部門から優秀な人材だけを選択的に採用したい考えだ。UBSの幹部はクレディ・スイス側に、自行の投資銀行業務を選別的に強化しつつ、高リスクの事業は手放したい意向を伝えた。

広島サミット招待

ウクライナを訪問中の岸田文雄首相は、ゼレンスキー大統領と首脳会談を行った。日本の首相による同国訪問は昨年2月のロシアによる侵攻後初めて。先立って訪れていたインドから事前に日程を公表せずに向かう異例の対応となった。岸田首相は首都キーウでゼレンスキー大統領と面会し、日本および日本が議長を務める主要7カ国(G7)としてウクライナへの連帯と揺るぎない支援を直接伝えた。首相はゼレンスキー大統領をG7広島サミットに招待。

連続マイナス止まる

米中古住宅販売件数は2月に季節調整済みで前月比14.5%増え、2020年半ば以来の大幅増加となった。金利上昇を背景に1年間続いた過去最長の連続減少がストップした。