archive: 2013年03月  1/2

ユーロ危機 豚から魚へ

No image

今後のユーロ危機が深刻化するパターンとして、今回のキプロスのような小国のユーロ離脱か、経済大国の成長率低下による、政治的・経済的な混乱が予想されている。小国はスロベニア、経済大国は「FISH」だ。  スロベニアはユーログループに金融支援を求める可能性が指摘されている。ユーロ圏の中では経済的な影響は小さいものの、キプロス同様預金没収等の処置が求められると、ユーロ離脱の前例となる可能性が高い。そうなると、...

  •  0
  •  0

ウォン高 深刻化する影響

No image

ウォン高の恐怖が現実になった。旅行関連の業種では、円安の影響を受け、日本の観光客が激減している。韓国国内の中小輸出業社向けの調査では、回答企業の93%がウォン高騰の打撃を受けていると答えた。中でも、日本との競合業種である家電や自動車の場合はさらに顕著で、アンケートに答えた企業の100%が損失を免れられないと回答している。自動車製造業大手の現代自動車でも、営業利益が11.7%と減少している。海外市場では日本...

  •  0
  •  0

ユーロの危機 その3.構造的欠陥

No image

ユーロという共通通貨は、預金没収をするという既成事実を作った。キプロス支援の枠組み、預金封鎖・没収は、これから欧州連合が支援する場合は、支援される国の預金が封鎖・没収される可能性を暗示している。これから、金融危機が噂された国民は、自国の銀行を信用できず、一斉に預金引き出しという行動をおこす可能性がある。取りつけ騒ぎは、経営上さほど問題もない銀行までつぶしてしまう。そして、ひとつの銀行がつぶれれば、...

  •  0
  •  0

ユーロの危機 その2.ドイツ世論

No image

キプロスは、ユーロ圏内でエストニアに次いで2番目に小さく、GDPは2兆円もない。経済規模は、神奈川県のひとつの区よりも小さな国である。なぜこんな小国がユーロにそこまで影響力を持っているのだろうか。このことが、ユーロという共通通貨の構造的な欠陥を表わしている。 キプロスの銀行はそれほどの規模ではないが、キプロスという国の経済規模よりも大きい。キプロスは自国だけでは救済できないサイズの銀行を抱えている。キ...

  •  0
  •  0

ユーロ危機 その1.キプロスって?

No image

ユーロ危機が再燃している。国際金融市場は、地中海の小さな島国、キプロスで起こった預金封鎖で揺れ動いた。ギリシャ神話では、アフロディーテ(ビーナス神)誕生の地とされるキプロス、風光明媚な観光地として有名な国である。地理的には中東エリアのキプロスが何故ヨーロッパの国とされるのか、ポイントは三つある。第一は宗教。キプロス人の8割近くがギリシャ系で、彼らはキリスト教の東方正教会(ギリシャ正教)の信者である...

  •  0
  •  0

リストラ ①悪化する雇用環境

No image

景気回復への期待感は高まっているものの、サラリーマンの雇用を取り巻く環境に明るい話題は少ない。雑用をやらせる部署に押し込んで退職勧奨する「追い出し部屋」の存在が次々と明らかになったり、政府の産業競争力会議で解雇ルールの明文化が叫ばれている。日本にある唯一の解雇ルールは、労働契約法に定められた「合理的理由のない解雇は無効である」という文言。それ以外は、整理解雇を実施するために満たさなければならないと...

  •  0
  •  0

ソブリンリスク

No image

米分析機関CMAが発表した破綻確率ランキングによると、日本は破綻確率が低い方から数えて23位と、17位から順位を落とした。最近の低成長から復調する兆しが見えつつある中国が20位、サムスン財閥が好調の韓国が22位と日本を上回っている。 破綻確率は、債務不履行(デフォルト)リスクの指標となるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の数値に基づき、今後5年以内にデフォルトする確率をはじき出したものである。日本...

  •  0
  •  0

アベノミクスの副作用 その3

No image

三つ目のポイントは金利の動向。金利の上昇、とくに10年満期の国債を物差しとする長期金利が上がると、住宅ローンの金利が上がるだけではなく、「借金漬け」になっている国の財政が破綻する。日本経済が抱える最大の難題は、国内総生産(GDP)比で200%超、金額にして1000兆円近くに膨れ上がった巨額の国債残高。物価が上がりだした時、金利も一緒に上がる可能性が高まる。消費者物価が2%上がると、これまでの経験では長期金利は2%...

  •  0
  •  0

アベノミクスの副作用 その2

No image

二つ目のポイントは賃金。賃金が上がらなければ、人々の生活水準は高まらない。円安で輸入品の値が上がり、暮らしは圧迫され、ガソリン価格は1リットル当たり、アッと言う間に150円台に跳ね上がった。原子力発電は停止し、発電は輸入エネルギー頼みの状態で、円安は輸入エネルギー価格を引き上げ、電気料金の値上げを通じて、家計を直撃する。日本の食糧自給率は、わずか40%程度。食料品のほとんどは輸入に頼っている。デフレ経済...

  •  0
  •  0

アベノミクスの副作用 その1

No image

アベノミクス──。その効果に疑問の声はあるが、日経平均株価は30%上がり円安は15%進んだ。昨年11月に9000円前後だった日経平均株価はその後、右肩上がりで上昇し、1万3000円をうかがう勢いにある。為替相場も1ドル=90円台後半の円安水準が定着し、トヨタ自動車やキヤノンなど輸出企業は、業績予想の上方修正や増益を見込んでいる。春闘では、年間一時金の要求に満額回答する企業が相次ぎ、セブン&アイ・ホールディングスのよう...

  •  0
  •  0