令和時代の為替相場、注目すべきポイント

尾河眞樹 ソニーフィナンシャルホールディングス 執行役員兼金融市場調査部長が、平成30年間のドル円相場を振り返っています。 ロイター

第1に、「相場は時に、信じられないほど大荒れする」ということだ。

振り返れば2008年のリーマンショックや、その後の円高局面は忘れがたいが、あえて個人的に心に残るイベントを挙げるとすれば、1998年のロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)ショックと、その後のドル円の大暴落だろう。
米国の大手ヘッジファンド、LTCMが1998年10月に破綻。
同年のロシア金融危機の影響を受けたものだったが、ポジションを清算するにあたり大規模な円買いが市場に持ち込まれた。
これが円キャリー取引の巻き戻しと相まって、10月7、8日のたった2日間でドル円相場は130円台から111円台まで、約20円も急落したのである。

第2に、為替相場(特にドル/円)には、米国政府の為替政策が強く影響してきたことが挙げられよう。

昭和には1985年の「プラザ合意」があり、平成に入ってからも1992年に当時の宮沢喜一首相とクリントン米大統領の日米首脳会談、いわゆる「クリントン・宮沢会談」による円安是正とその後の円高、1995年にはドル急落に歯止めをかけるための主要7カ国(G7)による「ワシントン合意」と、為替相場に対する政治介入が続いた。
1995年以降は当時のルービン米財務長官が「強いドル政策」を推進し、「強いドルは米国の国益」との発言を繰り返す中で、ドル高/円安が進行した。
2003年のドバイG7では共同声明で「為替相場の柔軟性」に言及。
米国の経常赤字拡大が注目されていた時期だっただけに、その後円高が進行した。
結果、この30年間、米国政府の為替政策は相場のトレンド転換に大きく影響してきた。

第3に、近年、金融政策が為替相場に及ぼす影響が益々大きくなっている点が挙げられよう。

リーマンショック以降、先進国はゼロ金利、マイナス金利、量的緩和という未曽有の緩和策を導入し、金融ショックからの立ち直りを図った。
それが奏功し、米国経済は2015年には利上げできるほどにまで回復した。
しかし、その緩和策によって市場に溢れたマネーがリスク資産へ向かい、相場に大きな影響を及ぼすようになった。

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