今週の為替展望

ドル円は、3月期末決算に向けて、昨年3月期末の仲値108.83円付近を意識した動きづらい展開が予想されます。

 ドル買い要因は、海外投資家の日本株売り・円売り、バイデン米政権の第2弾経済対策への期待感、改善が見込まれている米3月雇用統計となります。
ドル売り要因は、3月期末決算に向けた本邦機関投資家のレパトリエーション(国外滞留資金の本国環流)、補完的レバレッジ比率(SLR)条件緩和の終了、極東の地政学リスク回避の円買いとなります。

 バイデン大統領は、31日に第1弾の新型コロナウイルス救済法案(1.9兆ドル)に続く第2弾の「ビルド・バック・ベター(より良き再建)」計画(3-4兆ドル規模)を発表する予定です。
米国の経済回復への期待感が高まっており、3月消費者信頼感指数が注目されます。
 
 米3月雇用統計は、失業率が6.1%で2月の6.2%から低下、非農業部門雇用者数は前月比50万人の増加で2月の37.9万人の増加から改善が見込まれています。
予想通りならば、ニューヨーク株式市場や米10年債利回りの上昇観測が強まり、米連邦準備理事会(FRB)のテーパリング(資産購入の段階的縮小)への警戒感が高まることで、ドル買い要因となります。

 3月末で条件緩和措置が終了するSLRに関しては、米金融機関の収益悪化や2000億ドル規模の米国債売却への警戒感が高まっており、トリプル安の可能性が警戒されます。

 バイデン政権と中国との対立が激化しつつあること、北朝鮮がミサイル発射実験を再開していることは、地政学リスクの高まりからリスク回避の円買い要因となります。

 3月日銀短観では、1-3月期実質国内総生産(GDP)が緊急事態宣言によりマイナス成長に転落する可能性が高まっていること、東京オリンピック開催にまつわる不透明感などから、ネガティブサプライズに警戒が必要です。

 ユーロドルは軟調推移が予想されます。
欧州中央銀行(ECB)が、域内経済の回復を脅かす債券利回り上昇を抑制するため、パンデミック緊急購入プログラムの下での債券購入を加速させる方針を示したこと、欧州連合(EU)と英国の北アイルランドやワクチン供給を巡る対立、中国とのウイグル人権問題を巡る対立、新型コロナウイルス変異株の感染拡大などがユーロ売り要因となっています。

 ドイツやフランスでの新型コロナウイルス変異株感染再拡大を受けたロックダウン(都市封鎖)やイタリアでの財政再建を巡るドラギ政権内の対立による解散総選挙リスクにも警戒が必要です。
ユーロ圏3月消費者物価指数が低下していた場合は、ユーロ売りに拍車がかかることで警戒が必要です。

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