今週の為替展望 2021年4月25日

ドル円は軟調推移が予想されます。
ドル円は、日米首脳会談での対中強硬路線を受けた極東の地政学リスク回避の円買いや大阪府や東京都の緊急事態宣言を受けた景気悪化懸念によるリスク回避の円買いで、110円台から107円台まで反落しています。
日銀金融政策決定会合では、現状の金融政策維持が予想され、米連邦公開市場委員会(FOMC)でも、パンデミック(世界的大流行)後に職を失い、復職できていない労働者が840.3万人いることから、現状の金融緩和策の維持が予想されています。

26-27日に開催される日銀金融政策決定会合では、3月会合での政策修正の効果を見極める可能性が高いことから、金融政策の現状維持が予想されています。
「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、黒田日銀総裁の任期後となる2023年度の見通しが加わるが、コア消費者物価指数の前年比はインフレ目標2%に達しない見込みとなっており、現状の金融緩和策の継続が予想されています。

27-28日に開催されるFOMCでは、バイデン政権の米国救済計画(1.9兆ドル規模)を受けた個人消費や住宅市場の回復基調を受けたテーパリング(資産購入の段階的縮小)の時期に関する協議が注目されます。
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、今年のインフレ率は「若干上昇」する可能性がありますが、当局は目標である2%を大幅に超える場合には制御する決意だと表明しています。
28日には、バイデン大統領の施政方針演説が予定されており、大規模な財政出動を賄う増税計画に警戒が必要です。
米国の1-3月期実質国内総生産(GDP)の速報値は前期比年率+6.3%と予想されており、昨年10-12月期の前期比年率+4.3%からの改善が見込まれています。
また、好調な個人消費や原油価格の上昇を受けて、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視している3月個人消費支出(PCE)価格指数のポジティブサプライズにも警戒が必要です。

ユーロドルは軟調推移が予想されます。
3月の欧州中央銀行(ECB)理事会では債券利回り上昇を抑制するため、パンデミック緊急購入プログラムの下での債券購入を加速させる方針が示し、4月のECB理事会でも段階的終了が議論されなかったことから、ユーロの上値は限定的となる可能性があります。
ドイツやフランスのロックダウンや、財政再建を巡るドラギ政権内の対立によるイタリアの解散総選挙リスクにも警戒が必要です。
ユーロ圏の4月消費者物価指数や1-3月期実質GDP速報値がネガティブサプライズに終わることにも注意が必要です。

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