ユーロ崩壊

「イタリアショック」が世界の市場を揺さぶっている。
イタリアの政局不安を受けて25日の外国為替市場で円が「安全資産」として買われ、一時約1カ月ぶりに1ドル=90円台後半まで上昇、対ユーロでも一時1ユーロ=118円台後半をつけた。
開票が進む同国の総選挙は、上院(改選315議席)が混戦で、過半数を占める政党連合はないとする予測を地元メディアが報じている。
財政再建路線を批判するベルルスコーニ前首相率いる中道右派連合が上院で優勢とも伝えられ、中道左派連合が優勢とされる下院との「ねじれ」で政権が速やかに樹立できない可能性も浮上。
欧州債務危機が再燃するとの懸念が強まった。

相変わらずギリシャも悲惨な状況である。
ギリシャの昨年11月の失業率が27.0%と過去最悪を更新、前月比で0.4ポイント、前年同月比で6.2ポイントの悪化で、緊縮財政にともなう雇用環境の悪化がさらに進んだ。
若年層はいっそう深刻で、15~24歳の失業率は61.7%、25~34歳は36.2%に達している。

 ギリシャの2012年第四半期のギリシャ国内総生産(GDP)速報値は前年比6.0%減少となり、政府が進める緊縮財政によって、2013年も6年連続のマイナス成長になる公算が大きい。
若年層失業率が61.7%。
彼らがいかにして生きているかと言えば、もちろん親に依存している。
とはいえ、その親も失業している場合は、祖父母の世代に一家揃って依存している。
しかし、祖父母世代の年金も削減されているので、もう限界である。
このままでは政府が持たないかもしれない。
しかも、現在のギリシャでは移民排斥を訴える「黄金の夜明け」が勢力を強めており、状況が1931年、32年頃のドイツそっくりである。

 スペインも同様に喘いでいる。昨年10~12月期の失業率が過去最悪の26.02%に達し、失業者数は597万人だった。
景気後退が緊縮財政にあえぐ国民生活に追い打ちをかけた格好だ。
16~24歳の若い世代の失業率は55%を超え、ギリシャに次ぐ深刻な状況だ。
スペインの経済規模はユーロ圏で第4位。
直近3年間で2度目となる景気後退に直面している同国では、苦境にあえぐ銀行業界が、欧州連合(EU)の救済基金からの支援に頼らざるを得ない状況だ。

 一方、緊縮財政策の継続は国民からの反発を買い、両国では激しい抗議デモが続いている。
ようやく、世界的に「デフレ期の緊縮財政は逆効果」という現実が共有されつつあるが、何しろ政府の対外負債が事実上のデフォルト状態にあり、さらにユーロ加盟国で金融政策の自由がないので、悪化を続ける失業率に対し、手も足も出ない。
解決策はシンプル。
ユーロ、EUを離脱し、デフォルトし、通貨安と関税復活を実現。「正しいデフレ対策」を打ちまくること、すなわち、アベノミクスである。
 無論、それが出来ない事情はあるが、それでも若年層の6割が失業者などという社会よりはマシである。
失業とは、現在の失業者が「所得を得られない」という問題に加え、将来的な供給能力をも喪失してしまうという重い問題である。

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