リストラ ①悪化する雇用環境

景気回復への期待感は高まっているものの、サラリーマンの雇用を取り巻く環境に明るい話題は少ない。
雑用をやらせる部署に押し込んで退職勧奨する「追い出し部屋」の存在が次々と明らかになったり、政府の産業競争力会議で解雇ルールの明文化が叫ばれている。
日本にある唯一の解雇ルールは、労働契約法に定められた「合理的理由のない解雇は無効である」という文言。
それ以外は、整理解雇を実施するために満たさなければならないと判例で出された「4要件」①人員削減の必要性、②解雇回避の努力の有無、③対象者選定の合理性、④手続きの妥当性のみで、まったく具体性を欠いている。
もっと解雇しやすいように法律でルール化してほしいという要望が経営サイドから高まっている。

 世間は株価上昇に浮かれているが、昨年の企業のリストラの実態を知るとやるせなくなる。
昨年の早期退職募集人数は、判明分だけで1万7705人。
リーマン・ショック時の2万2950人に迫る水準で、雇用環境は最悪だ。
特に大手電機メーカーの希望退職が凄まじい。
ルネサスエレクトロニクスは5000人の募集枠に7500人近くが応募、シャープは2000人の枠に約3000人。
NECでも2000人以上の退職で、今年に入ってからも、すでに10社が早期退職の募集を公表している。
パナソニックが本社の従業員7000人のうち、3000~4000人を削減すると伝えられ、ソニーでも大規模なリストラが進行中だ。
アベノミクスの円安で企業業績は回復傾向といわれるが、業績が悪化している企業には焼け石に水。
3月の年度末に向け、早期退職の募集は増加している。

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