ユーロ危機 その1.キプロスって?
ユーロ危機が再燃している。
国際金融市場は、地中海の小さな島国、キプロスで起こった預金封鎖で揺れ動いた。
ギリシャ神話では、アフロディーテ(ビーナス神)誕生の地とされるキプロス、風光明媚な観光地として有名な国である。
地理的には中東エリアのキプロスが何故ヨーロッパの国とされるのか、ポイントは三つある。
第一は宗教。
キプロス人の8割近くがギリシャ系で、彼らはキリスト教の東方正教会(ギリシャ正教)の信者である。東方正教会は東欧からロシアにかけての支配的宗教であり、それがキプロスとロシアとの「特殊な関係」の基になっている。
第二は天然ガス。
キプロス近辺の地中海東側には天然ガスが大量に埋蔵されているとされ、トルコ、イスラエル、キプロスなど多くの国が自国の権益を主張している。
これは東シナ海の天然ガスの権益をめぐって東南アジア各国と中国などが争っているのと似ている。
最後は金融立国としてのキプロス。
キプロスは、金融規制が異常に緩く、税金が安いタックス・ヘイブンとして、ヨーロッパ、とくにロシア富裕層の資金を集めていた。
特に1991年のソ連の崩壊そしてユーゴの崩壊により、これらの「東方正教会仲間」の国の金融システムが崩壊した。そこでこれらの国からキプロスに資金が大きく流れ、アジアの香港・シンガポールのように、キプロスは「東欧の金融ハブ」になった。
同時に、マネーロンダリングの拠点としても知られ、ロシアのアングラマネーが大量に流れ込み、キプロスの銀行を経由して還元されている。
おかげで、キプロスの預金残高はGDPの約8倍にも上るというイビツな構造になっている。
一人当たりGDPもEUの平均並みに上がり、2004年にキプロスはEUに加盟した。
順風満帆に見えたが、リーマンショックそしてヨーロッパ危機、特にギリシャ危機でやられてしまった。
アングラマネーを元手に、ギリシャ国債を大量保有していたことが、今回の危機を招いた。
金融業の比重が大きすぎて、とても政府の手には負えない事態になってしまったのだ。
国際金融市場は、地中海の小さな島国、キプロスで起こった預金封鎖で揺れ動いた。
ギリシャ神話では、アフロディーテ(ビーナス神)誕生の地とされるキプロス、風光明媚な観光地として有名な国である。
地理的には中東エリアのキプロスが何故ヨーロッパの国とされるのか、ポイントは三つある。
第一は宗教。
キプロス人の8割近くがギリシャ系で、彼らはキリスト教の東方正教会(ギリシャ正教)の信者である。東方正教会は東欧からロシアにかけての支配的宗教であり、それがキプロスとロシアとの「特殊な関係」の基になっている。
第二は天然ガス。
キプロス近辺の地中海東側には天然ガスが大量に埋蔵されているとされ、トルコ、イスラエル、キプロスなど多くの国が自国の権益を主張している。
これは東シナ海の天然ガスの権益をめぐって東南アジア各国と中国などが争っているのと似ている。
最後は金融立国としてのキプロス。
キプロスは、金融規制が異常に緩く、税金が安いタックス・ヘイブンとして、ヨーロッパ、とくにロシア富裕層の資金を集めていた。
特に1991年のソ連の崩壊そしてユーゴの崩壊により、これらの「東方正教会仲間」の国の金融システムが崩壊した。そこでこれらの国からキプロスに資金が大きく流れ、アジアの香港・シンガポールのように、キプロスは「東欧の金融ハブ」になった。
同時に、マネーロンダリングの拠点としても知られ、ロシアのアングラマネーが大量に流れ込み、キプロスの銀行を経由して還元されている。
おかげで、キプロスの預金残高はGDPの約8倍にも上るというイビツな構造になっている。
一人当たりGDPもEUの平均並みに上がり、2004年にキプロスはEUに加盟した。
順風満帆に見えたが、リーマンショックそしてヨーロッパ危機、特にギリシャ危機でやられてしまった。
アングラマネーを元手に、ギリシャ国債を大量保有していたことが、今回の危機を招いた。
金融業の比重が大きすぎて、とても政府の手には負えない事態になってしまったのだ。