ユーロ危機 豚から魚へ
今後のユーロ危機が深刻化するパターンとして、今回のキプロスのような小国のユーロ離脱か、経済大国の成長率低下による、政治的・経済的な混乱が予想されている。
小国はスロベニア、経済大国は「FISH」だ。
スロベニアはユーログループに金融支援を求める可能性が指摘されている。
ユーロ圏の中では経済的な影響は小さいものの、キプロス同様預金没収等の処置が求められると、ユーロ離脱の前例となる可能性が高い。
そうなると、今後危機に陥った国々が、ユーロを離脱する構図となり、ユーロ加盟国がドミノ倒しのような形で分裂を引き起こすことになりかねない。
「PIGS」は、ポルトガル、イタリア(アイルランド)、ギリシャ、スペインの頭文字をもじった造語だが、これに対し、「FISH」は、フランス(F)、イタリア(I)、スペイン(S)、オランダ(H)のユーロ圏で2~5位の経済大国で、今後の欧州債務危機克服の足かせになるともいわれている。
2012年の成長率はドイツのみ0.7%で、フランス0%、イタリア・スペイン・オランダともにマイナス成長。
FISH各国は、経済面で非効率な構造的問題を温存している。
フランスとイタリアは労働コストの高さを抱え、企業部門の効率化がなかなか進まない。
また、スペインとオランダは銀行と家計の過剰債務が問題となっている。
フランスはドイツとともにユーロの中核国で、ギリシャを支援するトロイカ体制の一角。
そのフランスやこれまで優等生とされたオランダまでが取り沙汰される事態は、危機の深刻さを物語っている。
イタリアでは、緊縮政策を進めてきたモンティ政権が総選挙で敗北し、連立協議が足踏みしている。
とくに政権発足の鍵を握る第3勢力に台頭した政治勢力「五つ星運動」はユーロ離脱の可否をめぐる国民投票を求める考えを示し、政権の枠組みによっては世界経済への影響も避けられなくなる。
それ以上に深刻なのはスペインで、失業率は25%に及び、若年層の失業率に至っては50%超、2人に1人は職がない状態となっている。
デモが多発し、社会不安も高まっていおり、一旦沈静化したスペインの国債利回りが再び上昇しかねないと危惧されている。
そして、危機はオランダにも及ぶ。
これまで南欧諸国の危機に隠れて注目されてこなかったが、オランダは過剰な住宅債務を抱えている。
債務残高はGDPの100%を超える。
スペインの約50%、フランスの約40%を大きく上回る水準だ。
オランダはスペインに遅れること数年で不動産バブルが生じており、そのツケが同国の金融機関に回り始めている。
FISHの国債利回りは足元では落ち着いている。
しかし、4カ国が経済構造改革を進め、成長力を取り戻さなければ、欧州の経済再生は遠のくばかりだ。
欧州では、政治的、経済的構造に関する根本的な問題が未解決のままになっている。
小国はスロベニア、経済大国は「FISH」だ。
スロベニアはユーログループに金融支援を求める可能性が指摘されている。
ユーロ圏の中では経済的な影響は小さいものの、キプロス同様預金没収等の処置が求められると、ユーロ離脱の前例となる可能性が高い。
そうなると、今後危機に陥った国々が、ユーロを離脱する構図となり、ユーロ加盟国がドミノ倒しのような形で分裂を引き起こすことになりかねない。
「PIGS」は、ポルトガル、イタリア(アイルランド)、ギリシャ、スペインの頭文字をもじった造語だが、これに対し、「FISH」は、フランス(F)、イタリア(I)、スペイン(S)、オランダ(H)のユーロ圏で2~5位の経済大国で、今後の欧州債務危機克服の足かせになるともいわれている。
2012年の成長率はドイツのみ0.7%で、フランス0%、イタリア・スペイン・オランダともにマイナス成長。
FISH各国は、経済面で非効率な構造的問題を温存している。
フランスとイタリアは労働コストの高さを抱え、企業部門の効率化がなかなか進まない。
また、スペインとオランダは銀行と家計の過剰債務が問題となっている。
フランスはドイツとともにユーロの中核国で、ギリシャを支援するトロイカ体制の一角。
そのフランスやこれまで優等生とされたオランダまでが取り沙汰される事態は、危機の深刻さを物語っている。
イタリアでは、緊縮政策を進めてきたモンティ政権が総選挙で敗北し、連立協議が足踏みしている。
とくに政権発足の鍵を握る第3勢力に台頭した政治勢力「五つ星運動」はユーロ離脱の可否をめぐる国民投票を求める考えを示し、政権の枠組みによっては世界経済への影響も避けられなくなる。
それ以上に深刻なのはスペインで、失業率は25%に及び、若年層の失業率に至っては50%超、2人に1人は職がない状態となっている。
デモが多発し、社会不安も高まっていおり、一旦沈静化したスペインの国債利回りが再び上昇しかねないと危惧されている。
そして、危機はオランダにも及ぶ。
これまで南欧諸国の危機に隠れて注目されてこなかったが、オランダは過剰な住宅債務を抱えている。
債務残高はGDPの100%を超える。
スペインの約50%、フランスの約40%を大きく上回る水準だ。
オランダはスペインに遅れること数年で不動産バブルが生じており、そのツケが同国の金融機関に回り始めている。
FISHの国債利回りは足元では落ち着いている。
しかし、4カ国が経済構造改革を進め、成長力を取り戻さなければ、欧州の経済再生は遠のくばかりだ。
欧州では、政治的、経済的構造に関する根本的な問題が未解決のままになっている。