韓国4大財閥、オーナーの悪戦苦闘

サムスングループの事実上の総帥である李在鎔(イ・ジェヨン=1968年生)サムスン電子副会長にとっての2018年は、休まる日もない1年間でした。

朴槿恵(パク・クネ=1952年生)政権時代の一連のスキャンダルに絡んで贈賄や背任罪になどで実刑判決を受け、ほぼ1年間、拘置所生活を強いられました。
以前なら、財閥総帥の犯罪は、1審で執行猶予付き判決→大統領特赦というパターンがほとんどでした。、
だが、こんな「特別待遇」に、社会的批判が高まっています。
李在鎔副会長が控訴審で執行猶予付き判決を受けたことへの世論の風当たりも強く、注意深く「経営復帰」を進めています。

2019年を前に、李在鎔副会長には2つの大きな懸念があります。

1つは、もちろん、「上告審」の行方です。
大法院での判決がいつ出るのか、どんな判決になるのか
それによって、李在鎔副会長もサムスングループも大きな影響を受けます。
2019年前半と見られる判決で無罪になれば、完全復帰となりますが、実刑判決となれば、服役することになります。

もう1つの懸念は、グループ最大の稼ぎ頭サムスン電子の業績の先行きです。
空前の半導体好況に支えられ、サムスン電子はここ数年、最高益を更新し続けました。
ところが、ここにきて、半導体市況の先行きについて不透明感が広がっています。

オーナー家であっても、業績不振に陥れば責任を負う、「信賞必罰」が人事の基本であるサムスングループでは、オーナー家も例外ではありません。
李在鎔氏にとっても、半導体市況と業績の先行きが気にならないはずがありません。


半導体市況の先行きを注意深く見ているという意味では、SKグループの崔泰源(チェ・テウォン=1960年生)会長も同じです。

SKグループは、半導体、石油化学、通信サービスという全く異なる3つの主力事業を抱え、それぞれ順調に成長しています。
特に、半導体事業は、20年前に会長に就任した崔泰源会長が買収を決断した事業で、この成功によってグループ内の求心力獲得に成功しました。
崔泰源会長もかつては背任や横領で服役した苦い経験がありますが、最近は、「社会的企業」を掲げ、今の政権とも呼吸を合わせています。

SKグループは、創業者の後継者に実弟が就きました。
この2代目こそが崔泰源会長の父親である崔鍾賢(チェ・ジョンヒョン)氏です。
2代目会長の時に、エネルギー事業や通信事業への進出を決め、大財閥への基礎を築きました。
ところが、1998年に急死し、崔泰源会長が、後継者となりました。
創業者にも子供たちがいますが、経営権を巡る「ファミリー内の争い」はなく、崔泰源会長を支えています。
これに感謝する、ということで、崔泰源会長は、個人資産、グループ企業の株式で、時価換算で1兆ウォン近くを実弟や創業者の子供たちなど親戚に贈与することを決めました。

こんなことができたのも、業績が絶好調だからです。
2019年以降は、半導体と石油化学は市況産業で、先行きは不透明です。


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2018年には、韓国財閥で世代交代が起きました。

財閥2位の現代自動車。
満80歳になった鄭夢九(チョン・モング=1938年生)会長の長男である鄭義宣(チョン・ウィソン=1970年生)氏が「首席副会長」というポストに昇格し、経営の前面に登場しました。

2000年代以降、急成長した現代自動車グループですが、ここへきて成長にかげりが出ています。
現代自動車の2018年1~9月の営業利益は1兆9200億ウォンで前年同期比半減となりました。
現代自動車の売上高営業利益比率は2011年の10.4%をピークに徐々に低下し、2018年1月~9月は2%台になってしまいました。

鄭義宣首席副会長は最近、2018年にV字型回復を目指すとともに、水素自動車への大型投資を決めましたが、楽観視する声はほとんどありません。


LGグループは、前会長の死去に伴い40歳の長男、具光謨(ク・グァンモ=1978年生)氏が会長に就任しました。

LGグループは、「紳士集団」ともいわれ、韓国では高い評価を受ける企業文化の一方で、おとなしい社風で存在感が薄れていました。
年末のグループ人事では、「内部昇格」が圧倒的だったLGグループの伝統を打ち破り、活発なスカウト人事を発表して注目を集めました。


目立たず淡々と経営を進めるサムスン、好業績を背景にファミリー問題の決着を図るSK、反転攻勢を狙う現代自動車、独自色を打ち出すLG・・・。
オーナーそれぞれが、逆風を必死に乗り切ろうとしています。





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