「年初の円高」は繰り返すか、日米交渉も要警戒=内田稔氏

内田稔 三菱UFJ銀行 チーフアナリストは、過去3年間、ドル円が第1・四半期に大幅に下落するパターンを繰り返していることに注目しています。 ロイター配信

16年第1・四半期の安値は110円67銭で、前四半期の高値123円76銭から大きく下落し、同じく17年第1・四半期も安値が110円11銭と前四半期の高値118円66銭から落ち込み、18年の第1・四半期の安値も104円56銭と、前期の高値114円73銭から大きく値を下げている。
前年第・4四半期の高値と翌年第1・四半期の安値の落差は、平均すると10円60銭
18年第4・四半期の高値はこれまでのところ114円55銭(10月4日)であり、もし季節性が繰り返されれば、ドル円は19年3月末までに103円95銭へ続落する計算になる。

重要なのは、こうした季節性が単なる偶然なのか、それとも何らかの因果関係があるのかどうかだ。
筆者は、因果関係はあるとみており、19年も第1・四半期のドル円続落に警戒が必要と考える。

9月末ごろから年末越えのドル資金の需給がひっ迫し、ドルの調達コストが上昇するようになった。
為替のスポット市場でも、年末にかけてドル高が進みやすくなったと考えられる。
一方、ドルに対するこうした「特需」は11月下旬の米感謝祭前後にピークを迎え、ドル高は次第に和らいでいく。
その後は日本勢が会計年度末の3月に向け、配当金などの円転需要を高めていく。
年末まで上昇した反動と相まって、ドル円には一転して強い下落圧力が加わる。

19年第1・四半期はこうした季節性に加え、米国が日本との通商協議に強硬な姿勢で臨んでくる可能性にも要注意だ。
もし対米自動車輸出の減少が現実となれば、世界的な景気減速や消費増税後の需要減に対する懸念と相まって、日本のインフレ期待が萎縮しかねない。
これが実質金利の上昇を通じ、円高圧力となる可能性が高い。
米国の利上げ休止観測も強まっており、19年のドルは18年ほど強くなさそうだ。

19年の為替相場はドル安/円高が見込まれる。
とりわけ、第1・四半期のドル円続落には最大限の警戒が必要だ。





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