米朝首脳会談、両国の狙いと「落としどころ」

<米国>
●主要な目標

米国が実現を目指している最優先課題は北朝鮮の非核化です。
「非核化」はすべての大量破壊兵器の放棄、つまり同兵器および、同兵器の搭載が可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)の生産中止を意味します。

●落としどころ

複数の米当局者は21日、首脳会談では「非核化」の定義について北朝鮮との間で理解の共有を目指すと述べました。
米政府が首脳会談後の非核化交渉について、見通しや進め方の青写真を描こうとすることも予想されます。
北朝鮮の大量破壊兵器やミサイル開発計画の凍結も議題になりそうです。


<北朝鮮>
●主要な目標

北朝鮮は公の場で米国と国連による経済制裁の停止を求めています。
北朝鮮が抱く朝鮮半島の非核化の概念には、米国が韓国への「核の傘」提供を取りやめ、韓国から核搭載能力のある軍を引き上げることが含まれる可能性があります。
北朝鮮は以前から米国と平和協定を結んで関係を正常化し、朝鮮戦争終結を宣言することも望んでいます。

●落としどころ

米政府は北朝鮮の完全な非核化に先立って包括的な和平協定を結ぶことには消極的な姿勢を取っています。
ただ米当局者は、より限定的な合意により緊張を緩和して連絡事務所を開設し、関係の正常化を目指すことに前向きになり得ると示唆しています。
金委員長は1月、北朝鮮は「ケソン工業団地と金剛山観光事業について、いかなる前提条件や対価もなく再開する用意がある」と述べました。
また委員長は、北朝鮮は朝鮮半島の完全な非核化に向けてさまざまな措置を講じており、米国がこうした措置に相応する具体的な行動を取るよう求めるとも述べました。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は昨年12月、北朝鮮が米国に求める「相応な行動」には、北朝鮮に対する敵対的政策の中止や制裁の解除が含まれると報じました。
「敵対的政策の中止」が具体的に何を指すのかは不明です。

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2回目となる今回の米朝首脳会談、前回のように「歴史的対話」「会うことに意味」だけでは済まされません。
米国内からは非核化に向けた具体的な「成果」が求められ、大統領再選を狙うトランプ氏にしてみれば、国民に「成果」を訴えるものが必要になります。
一方、北朝鮮は核兵器の保有は当面欠かせず、全面放棄は体制崩壊につながります。

この両者の事情を考えれば、トランプ大統領が言うように、時間をかけて段階的に進めるしかなく、今回の会談で終了ではなく、長期戦を覚悟しています。
在韓米軍の縮小は議論しないと言っているので、終戦協定、平和条約までは進まないとの読みがあります。
北朝鮮としては、米国に影響するICBMの廃棄や核実験場の査察受け入れ、廃棄などは選択肢になります。

北朝鮮のICBMの廃棄や核実験場の査察・廃棄との交換条件で、米国は経済制裁解除、経済支援の駒を1つずつ出してゆく作戦にならざるを得ません。
トランプ大統領は、一歩でも前進すれば「米国がICBMに脅かされることはない」などの成果を強調し、国内の強硬派を抑えたいはずです。

今回の首脳会談で北の非核化が大きく進むわけではありませんが、米国に都合よい方向に一歩ずつ進み、米朝関係がかつての敵対関係から親睦化が進む可能性があります。
米地質調査所(USGS)や、日本貿易振興機構(JETRO)などの「資料」によると、北朝鮮には半端ない量のマグネサイト、タングステン、モリブデン、レアアースなどのレアメタル(希少金属)が埋蔵されているといいいます。
さらに、石油の埋蔵量も有望とされます。
トランプ大統領は、北朝鮮に大量に存在する地下資源を米国が利用できるよう、北朝鮮を親米政権に仕向けることを意図しています。
今回の会談地ベトナムのように、北朝鮮が親米国家に変貌し、北が主導して半島統一となるかもしれません。

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